History技術力の源泉

伝統産業からハイテク産業へ

西陣織の刺繍用金銀糸から始まった事業は、印刷・装飾などに用いられる加飾材料や菓子袋などの包装材料へと展開し、高度な「ドライ&ウェットコーティング技術」を施したフィルム加工製品の開発により、自動車関連部材やエレクトロニクス関連材料、ディスプレイ用光学フィルムなど最先端のIT分野にまで広げています。
伝統産業からハイテクビジネス産業まで、常にニーズを先取りした技術革新に挑み、他に先駆けて新しい技術の導入に挑んできたイノベーションマインドこそが当社の原動力です。

金銀糸製造販売業として創業

1876年(明治9年)京都市東山区にて西陣織の刺繍用金銀糸の製造販売業として創業しました。
当時は和紙の上に薄く伸ばした金箔を貼って細く切り金糸を製造していました。

日本で初めて真空蒸着を工業化し、金銀糸のトップメーカーへ

1956年(昭和31年)京都市工業試験所の協力を得て、金銀糸の製造を真空蒸着の技術を用いて工業化しました。
真空蒸着は、金属を真空中で溶かして蒸発させ、素材となる各種フィルムに薄い被膜をつくる技術です。
和紙の代わりにプラスチックフィルムを使用することで強くて安価な金銀糸を製造することに成功し、業界トップ企業になりました。
全国に先駆けてこの真空蒸着技術を導入したのが今日のハイテク産業へ歩むきっかけとなりました。

技術力を高め、次々と新たな分野へ進出

1960年代には、この真空蒸着技術を用いて、金や銀でデザインした文字や模様を紙やプラスチックに転写するメタリック転写箔の分野へ参入しました。
メタリック転写箔は、お菓子や化粧品のパッケージの装飾などに用いられています。
さらには、食品の軟包装に用いられるアルミ蒸着技術やEB加熱蒸着技術、スパッタリング技術に着手するなど技術力を高め、次々に新しい分野へと進出していきました。
自動車用部材や家電製品などのプラスチック成型品、ラメ・ファッションなど多様な事業分野のニーズに応えています。

ハイテク企業として大きな世界シェアを獲得

1980年代後半、トナーを代表とするイメージング分野の延長であるLCDなどディスプレイ関連の市場のニーズの高まりにいち早く着目し、タッチパネル用透明導電性フィルムや各種光学フィルム、フレキシブル回路基板用材料などの分野へと参入し、先端産業へと展開しています。
画面に触るだけで、必要な情報の入力ができるタッチパネルは、透明導電性フィルムによってディスプレーの上に電極を形成することで実現した技術で、もはや現代社会になくてはならないものとなっています。
このタッチパネル用透明電導性フィルムについては、大きな世界シェアを占めています。